社会福祉法人 山梨県手をつなぐ親の会 梨の実寮|山梨県南アルプス市

 

中長期経営計画

 

中長期経営計画(平成27年度~31年度)

中長期経営計画(平成27年度~31年度)
 
はじめに
目 次
Ⅰ 社会福祉法人をめぐる状況
Ⅱ 親の会が歩んできた道
Ⅲ 今、法人がなすべきこと
Ⅳ 具体的取組み
 中長期経営計画(平成27年度~31年度)
1 法人本部
2 梨の実寮
3 みだい寮
4 育精福祉センター成人寮
おわりに
 
はじめに
 本法人が運営をする「梨の実寮 」が平成18年に山梨県から指定管理を受けて今年で9年目となり
10年満期の指定期間が残り1年半となりました 。また同様に「育精福祉センター成人 寮」も昨年度から指定管理を受け、5年満期の指定期間の2年目に入りました 。そして、法人立の「みだい寮」を加えると、 法人の職員数は総勢119名となり、県内においても有数の社会福祉法人となりました 。
 一方、 昨今の社会福祉法人をとりまく環境は大きく変化し、 世間の風当たりも大変厳しいものになってきております 。その内容には,社会福祉制度の意義・役割を問い直す厳しい指摘もあり 、平成26年6月13日に内閣府が設置した規制改革会議から提出された答申では「社会福祉法人の内部留保の明確化」や低所得者への無料・定額サービスなどの「社会貢献活動の明確化」などを求めたものとなってお ります 。さらに 、厚生労働省内に設置されております 「社会福祉法人の在り方等に関する検討会」におい ても平成26年6月16日「社会福祉制度の見直しついて」の報告書(案)としてまとめられ、その中で「法人運営の透明性の確保」や「地域における公益的な活動の推進」を求めてきております。内部留保に関しては、他の社会福祉事業に投資されている部分は既に活用されていて、残りについて将来の建て替え費用として説明できる部分が多いこと、さらに施設産業は資本回転率が高く出る傾向があるなど、内部留保の額だけで一律には論じられないことに注意が必要とも述べられておりますが、しかしながら、併せて優遇措置によって得た原資を もとにした社会福祉事業の充実や又は地域に福祉サービスとして還元しなければ 、その存在意義が問われることになり、真摯に受け止める必要がある。とも述 べており、本法人としても今後危機意識をもって事業展開していかなければならないと考えます 。
以上、 本法人としてはこれらの答申及び報告書内容を踏まえ、今後、社会福祉法人として山梨県の障害者福祉を牽引していけるようなモデル的な法人になっていくよう努力をしていかなければりません。そのため、法人として中長期経営計画の策定は不可欠なものであり 、このほど策定をすることとしました 。
 これからも、 社会福祉法人として、財務諸表の公開など法人運営の透明性を確保し、これまで以上に誰からも親しまれ尊敬される法人を目指して努力してまいりたいと考えております 。関係各位の皆様方のますますのご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げ ます 。
                                     理 事 長
                                     望 月 雄 三
 
Ⅰ 社会福祉法人をめぐる状況
 社会福祉法人制度については、2000年(平成12年)の社会福祉基礎構造改革以降、大きな見直しは行われていない。しかしながら、その後の10余年の間に、社会福祉法人制度の意義・役割を問い直す厳しい指摘もされるにいたっている。具体的には平成26年4月の「規制改革会議」において介護・保育事業などでのイコールフッティング (商品やサービスを販売している双方が対等の立場で競争が行えるよう、基盤や条件を同じにすこと)確立すべきとの意見を出したり、内部留保の位置づけを明確化し、福祉サービスへの再投資や社会貢献での活用を促すよう求めた。6月の第二次答申においては、 社会福祉法人に対する財務諸表のインターネットでの公開や社会貢献の義務化が盛り込まれ、厚労省に対しても明確な事業計画に基づく目的別の積立てを行うことを社会福祉法人に指導するよう求めた。さらに「政府税制調査会」おいてもイコールフッティングの 観点から、公益法人の範囲の再検討を求める意見や、法人実効税率の引き下げによる税収減の穴埋め財源として公益法人課税の見直しを盛り込む報告書をまとめた。
 一方、厚生労働省の「社会福祉法人の在り方等に関する検討会報告書 」の骨子では、
1 公益的な活動
 「地域における公益的な活動」 の実施をすべての社会福祉法人に法律で義務付ける。その内容はそれぞれの地域で定める。一定期間実施しない法人は行政指導の対象とする。
2 組織の体制強化
 すべての社会福祉法人に評議委員会を設置する。資金管理を施設単位から法人単位とする。法人本部機能を強化する。
3 規模拡大・協働化
 合併・事業譲渡が公正に行われるよう要件や手続きを見直す。 複数法人による事業の協働化を図るため、役職員の相互兼務を認め、法人外への資金拠出の規制を緩和する。
4 透明性の確保
 財務諸表の公表を法律上の義務とする。都道府県、国単位で集約する。地域における公益的な活動を併せて公表する。
5 監督の見直し
社会福祉法人の設立認可の要件に、ボランティアやNPOでの活動実績を加える。  財務の外部監査を義務付け、第三者評価の受審を促す。
 
 以上のような報告書内容となっており、これまで社会福祉法人制度意義・役割を問い直す厳し指摘がなされている。今こそ、社会福祉法人制度に関わる者が自ら率先して改革を行わければ、社会福祉制度は地域住民等の信頼失い、その未来をも断ち切られかねない状況にある。
これらのことを当法人としても肝に銘じておく必要がある。
 
Ⅱ 親の会が歩んできた道
「山梨県手をつなぐ親の会」は、 昭和45年、県下の知的障害の子をもつ親たちが、共に手をつなぎ子どもの幸せを願って結成され、 昭和53年3月に社会福祉法人の認可を受けた後 、同年8月には県下初めての知的障害者授産施設「山梨県立梨の実寮」の県からの 受託経営を始めるとともに、親亡き後も知的障害をもつ方が 安心して暮らすことのできる施設をとの願いから、昭和62年に知的障害者更生施設「みだい寮」を開設して、永年に渡り知的障害者の自立を支援してきた。 平成18年には「梨の実寮」 、平成25年には「山梨県立育精福祉センター成人寮」が県から指定管理者として運営を任され、今日に至っている。 現在、 法人として3ヶ所の入所施設の運営と複数の地域生活支援事業等を行うことにより、現在職員数119名を有し 、県下においても有数の社会福祉法人となっている。
 
Ⅲ 今、法人がなすべきこと
 全国社会福祉法人経営協議会が発表した「 アクションプラ2015」の中で、5つの取り組みを進めるよう推奨している。
ア 経営情報の公開
イ 利用者、家族、地域住民等の社会福祉法人に対する理解促進の取り組み
ウ 公益的取組の推進
エ サービスの質の向上
オ トータルな人材マネージメントの実施
 
 以下に 、上記の取り組みを踏まえながら特に 、特に次の課題について述べておきたい。
1 社会・地域貢献の 積極的展開
① サービスの質向上
第三者評価の受審を積極的に進め、サービスの質の検証を行うとともに公表することによるさらなる質の向上に向けた職員意識の高揚を図ります。また、他の民間事業所の模範となるような福祉のスペシャリストの養成をさらに強化し、人的資源の強化を図る。
② 公益的取組の推進
低所得者の減免の実施を的確に実施するとともに、生活困窮(特に障害者)の生活支援など地域の福祉増進に向けた実践に取り組む。
③ 利用者・家族・地域住民等の法人に対する理解促進
利用者、家族に対する一層の情報提供に努め、支援の現場が見える情報づくりを目指します。地域住民との交流をさらに図り、障害者に対しての理解促進と共生社会の実現に努力する 。
地域貢献として、組織として近隣障害者の成年後見を引き受ける 。
 
Ⅳ 具体的取組み (平成27年度~平成31年度)
1 法 人 本 部
① 山梨県の障害施設のモデルとなるような、地域と施設が一体となって生活していける施設を目指す
② 運営方針のもと 運営方針のもと、組織体制の機能強化と充実を図り、職員相互の信頼の確保に努める。
③ 適材適所による、ワーク・ライフ・バランスに配慮された職場の確立を図る
④ 人事管理の統一と整合性を図 り、人事交流を定着化する
⑤ 人材育成において研修制度の確立と体系化を図る
⑥ 法人事務局 運営会議の設置と定例化
⑦ 経営業務の効率化、改善に向けた現状分析、評価の継続
⑧ 育成会や保護者会以外から、有識者、本人代表の登用をするなどして理事会 、評議員会の活性化を図る
⑨ 中長期計画の策定による今後の事業計画の明確化
⑩ 法人内の3施設の性格の位置付けの明確化
⑪ 新たな相談支援業務のセンター化及びGH設置・ 運営の一元化を検討
⑫ 今後、指定管理或いは民間に移行するであろう「育精福祉センター児童寮」の受託に向けた 検討・ 準備
⑬ 「梨の実寮」の建て替えに際し、法人全体として位置づけを明確にし、事業展開を図る
⑭ 年功序列型給与から一部能率給への導入等処遇改善の検討
⑮ これらの業務、課題を円滑に検討、遂行していくための新な法人本部設の設置について検討
2 梨 の 実 寮
① 利用者支援について
ア 多機能型施設としての利用者支援の充実のための積極的研修の参加や資格取得による
職員のスキルアップ
イ 利用者の工賃アップを目指した就労計画の作成
ウ 就労移行支援の充実による就職率のアップ
エ 指定管理者10年に向けての第三評価の受審と評価
 ② 地域(在宅)福祉の貢献
ア 新たなグループホームの設置の検討
イ 地域の生活困窮者等への援助など地域貢献の取り組みの検討・ 推進
ウ 地域生活支援事業の積極的推進などより 質の高い福祉サービスを提供するためのより高い技術の取得
③ 再整備(建て替え)について
ア 再整備を推進していく上での法人会議での情報提供及び意見聴取
イ 先進県への視察
ウ 県当局に対しての 情報の取得と交換
エ 単に建物のて替えに留まらず、法人全体としての梨の実寮再整備の位置付けの明確化
オ 再整備後の定員について、施設入所40名とし 、現在入所人員43名を再整備までには40名にしていく。
④ 資金計画について
今後、県の再整備へ関与がどようになるのか現時点ではまだ明確になっていない。その後の展開によっては、この資金計画に大きな影響を及ぼすことになる。
現時点における再整備の費用 (目安として工事業者に出してもらったもの)
造成工事 約 83,000,000円
居住棟建設 約640,000,000円 (1780㎡)
作業棟建設 約 69 ,000,000円
解体工事 約 41,000,000円
その他 設計費用 設備整費用 初度調弁費用 がかる
平成26年度に収支差額は約1,200万円 前後の見込みで あったが、27年度以降、人件費が処遇加算の見直し等で700万前後増加となり、 さらに 平成27年度に生活介護等の報酬単価引き下げにより 、27年度以降の収支差額は、大幅な減収となってしまう見込みである。そのため、再整備資金調達に大きな影響が見込まれる。よって 、梨の実寮再整備を進めていくためには、法人全体の事業として位置づけ 、施設間の資金面の協力の是非も考えていく必要があると思われる。今後の具体的な資金計画については、梨の実寮に対する県の考え方が明確になったところで改めて策定していきたい。
3 み だ い 寮
① 利用者支援について
ア 他の2つの施設と違い指定管理の縛りがないため、独自の事業展開を行う。
イ 入所のスペシャリストとして高齢者対応を推進していく。
ウ 介護保険制度が利用可能となる65歳まで、または年齢を問わず、みだい寮の生活に対応できている間は、高齢化利用者の居住環境を考慮し、高齢化利用者の住み分けを考える。
エ ハード面も含め、入所関係のサービスと地域関係のサービスが、必要なところで連携しながらも個々の特性が発揮でき、利用しやすいサービス体系になるよう整理
オ 各事業の状況(利用者数や収支)をみながら職員数の増員をし、利用者支援の充実を図る
カ 関東ブロック大会に参加した「本人ステージ」の取り組みを大会終了後も 「みだいク ラブ」の本人の余暇支援として継続し、本人活動へ発展させていく
② 地域(在宅)福祉の貢献
ア 地域ニーズに応えられるサービスの展開(放課後デイ、 短期入所、相談、グループホーム)
イ 社会貢献活動としての権利擁護運動を育成会と連携しながら展開
研修会 、制度(サービス)の説明会、相談会等の開催。相談事業は社会貢献事業に近い非営利的なもの として強く打ち出し、「見える化」「見せる化」として強く打ち出していく
ウ グループホームの充実
③ 建て替え(再整備)について
ア 修繕計画に基づく修繕の実施と建て替えに向けての積立の実施
建て替えは20年後(平成46年)を目途に計画
イ 放課後デイ、相談等の地域から障害児用の利用スペースと入所者利用者生活スペースの住み分けの検討、準備(地域支援棟の設置について検討)
地域支援棟の設置による高齢者スぺースの確保も検討
④ 資金(計画について)
ア 安定した収入の確保のための定員確保や短期入所、放課後デイの活用による増収を図る.
イ 毎年2,000万円~3,000万円の積立を想定し、20年で5億程度の資金を確保
4 育精福祉センター成人寮
① 利用者支援について
ア 利用者の希望や一人一人に合った生活スタイルや場所の提供を目指す
イ 人権が尊重され、楽しいと思える日中活動の提供
ウ 福祉サービスの質を向上し、利用者が安心して暮らせる施設
エ 利用者一人一人に楽しみや余暇に対応できる施設
オ 介護度の高い利用者支援に対応するため、 バリアフリー及び療養 、風
呂入浴の環境(建物設備)を提供
カ 高齢化への対応、医療が必要な方への対応を検討、促進
② 地域(在宅)福祉の貢献
ア 現在実施している強度行動障害支援事業の実施を全県対象に拡大し、併せて研修システムを構築し、強度行動障害の支援のノウハウを地域に環元していく
イ 地域ニーズが充足できる施設を目指す
ウ 入所を基盤にすえながらも様々な事業展開により地域サポートを実施
エ 地域、異業種とも連携し、が様々な支援やサポートできるようにする
オ 身上監護アドバイザーの有資格者を養成し、地域、近隣障害者などの成年後見を引き受ける
カ グループホームの設置、運営に向けての検討及び保護者会への情報提供 、利用者の体験実習の実施
③ 増築(厨房)について
ア よりおいしい給食が提供できるように、給食棟の設置の検討
④ 資金計画について
県からの派遣職員が終了するのが平成27年度であり 、28年度からは法人職員だけで運営していくことになる 。人件費等が明確になる28年度の運営状況を見ながら、 以後の資金計画を立てていきた い。
 
おわりに
平成26年12月、厚労省は 2015年度の障害福祉サービス等報酬改定 に向け、基本的な方向性を示したところで、それによると福祉・介護職員処遇改善加算は維持した上で、 さらに評価する区分を新設する一方、グループホームの重度者支援充実ための改善や就労移行支援で移行実績がない場合の減算の厳格化などが盛り込まれている。
処遇改善加算の新区分の算定要件の一つには、当法人の計画にも入っている職員の資質向上のための計画の策定や研修の実施などを求めている。 また福祉サービスに関しては、重度者、夜間・緊急時、地域移行などの対応が要点となっている。 厚労省は、今後これらの方向性を基に予算編成過程で 具体的な報酬改定を検討することになっている。 平成27年1月、来度の予算編成で特別養護老人ホーム等の介護報酬引き下げが決定となる一方 、 障害福祉サービスの介護報酬は据え置かれることが決定された。その上で、 政府は、介護・障害福祉職員の給与を1人月12,000円上乗せするための予算を確保することになった。今回の結果だけをみると 障害福祉分野においては、老人福祉分野に比較して恵まれた結果となっが、その後、 2月12日に示された平成27年度の障害福祉サービス等報酬改定概要(案)内容をみると、 法人が運営している3ヶ所の施設の主要な財源となっている生活介護の単価が引き下げられており、来年度以降の施設運営は予断を許さない状況となっている。
 いずれにしても 今後さらに,支援の質や実績を伴う支援内容の充実を図っていかなければこの分野で生き残っていくことが困難な時代になっていくと予想される 。
 最後に, 法人全体がこれまで以上に危機意識をもち、これまで以上に利用者支援だけでなく地域への貢献を積極的に果たしていかなければならない時代になったと痛感している 。
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